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2009 年度 実績報告書

過渡的明暗コントラスト誘導現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19730462
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

V・T・G Jakobus  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (30362586)

キーワード明暗コントラスト / 錯視 / 計算モデル / 明るさ知覚
研究概要

研究の最終年度である平成21年度は、昨年度に開発した過渡的明暗コントラスト誘導現象(TLCI)に関する計算論的モデルと、ヒトの知覚特性との対応関係について検討した。このモデルの本質は、刺激画像の時間的変動の持続時間と変動の間隔を計算するものであるが、モデルの挙動は、予備観察で得られたTLCIのパターンと良く一致した。さらに、この計算論的モデルは、網膜における光受容器(錐体)の動作特性に関するモデルとも一致するものであった。以上の検討を経て行った本実験では、被験者のTLCIに対する反応(形状の知覚)と、計算論的モデルの予測は良く一致することが示された。今回得られた計算論的モデルは、網膜の機能に関する新たな解釈につながるものである。具体的には、網膜は等方的な画像フィルターの集合であるとする従来の考え方に対し、今回のモデルは、眼球や画像が動く状況下では、網膜は非等方的なフィルターとして機能しうることを示唆している。即ち、運動の要素が加わった場合、網膜は多重空間スケールのフィルタリングや、方位選択的なフィルタリング、さらには運動検出の機能を持ちうる可能性を示すものである。この計算論的モデルは、従来明確な説明がなされて来なかったTLCIを説明しうる定量的なモデルであるだけでなく、ヒトの明暗知覚特性全般に関するモデルとなりうるものであると同時に、ヒトの網膜の機能について新たな解釈を可能とするものであり、今後の心理学的研究及び生理学的研究に新たな展開をもたらすものと期待できる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Perceptual disruption and composure in Bridget Riley's Fall.2010

    • 著者名/発表者名
      Gert J.van Tonder
    • 雑誌名

      Leonardo (MIT Press) 43:3

      ページ: 283-288

    • 査読あり
  • [学会発表] Op art and the genius of the eye (招待講演)2010

    • 著者名/発表者名
      Gert J.van Tonder
    • 学会等名
      特別招待講演
    • 発表場所
      シンガポール国立大学(シンガポール)
    • 年月日
      2010-03-19
  • [学会発表] The retina : more than meets the eye (招待講演)2010

    • 著者名/発表者名
      Gert J.van Tonder
    • 学会等名
      The 3^<rd> International Workshop on Kansei
    • 発表場所
      九州大学、福岡
    • 年月日
      2010-02-22
  • [学会発表] Op art and the genius of the eye (招待講演)2009

    • 著者名/発表者名
      Gert J.van Tonder
    • 学会等名
      Aesthetics and Science : The genius of the Artist
    • 発表場所
      トレント近代美術館(トレント、イタリア)
    • 年月日
      2009-11-06
  • [学会発表] Very early origins of visual qualities2009

    • 著者名/発表者名
      Gert J.van Tonder
    • 学会等名
      ESF International Workshop on Qualities in Perception Science
    • 発表場所
      トレント大学(イタリア)
    • 年月日
      2009-11-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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