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2009 年度 実績報告書

カナダにおける教員評価等教員政策に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 19730480
研究機関弘前大学

研究代表者

平田 淳  弘前大学, 教育学部, 准教授 (90361005)

キーワード教員評価 / 教員養成 / 免許更新制 / 教員の自律性 / 教員文化
研究概要

本年度は新型インフルエンザの流行による渡航自粛により、当初は2回のカナダ訪問を計画していたが、1回のみの訪問〈11月〉となった。カナダ訪問に際しては、オンタリオ州トロント市及びブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市を訪れた。トロント市においてはトロント大学大学院オンタリオ教育研究所所属の教員にインタビューを行い、教員評価等現在の教員政策の傾向について知見を得た。また同研究所で教員養成を担当している教員に対しインタビュー調査を行い、同研究所で行われている教員養成カリキュラムや実践、組織開発の概要と問題点についてデータを収集した。バンクーバー市においてはブリティッシュ・コロンビア大学に赴き、同大学で教員養成を担当している教員に会い、インタビュー調査を行った。また、実際の教員養成コースの授業を観察し、受講生と話しをする機会も得た。
21年度から22年度への繰越分として、22年6月から7月にかけてカナダ東海岸のプリンス・エドワード島州シャーロットタウン、ニューブランズウィック州フレデリクトンの二都市を周り調査を行った。前者においてはプリンス・エドワード島大学の教員養成と免許、同州教育省・教育委員会・教員組合で教員の採用・契約・評価・研修などについて調査した。後者においては、ニューブランズウィック大学の教員養成と免許、同州教育省及び教員組合で教員の採用・契約・評価・研修について調査を行った。これら二州とこれまで調査した他の諸州の間の最大の違いは、大学-教育省・教育委員会-教員組合が協働して教員養成のプログラムや、採用や契約に関する取り決めを作成している点である。特に教育省と教員組合の関係に関しては、事項によっては緊張関係になる場合もあるが、教員養成や採用に関しては共同の委員会を作るなどして、同意のうえで政策を実施している。こういった関係性はオンタリオ州やブリティッシュ・コロンビア州などの人口及び地理的な規模の大きな州では見ることはできず、東海岸二州の比較的小さな人口・地理的規模が緊密なコミュニケーションを可能としていると言えよう。
また、繰越分調査は特に「教員養成」を重視して行ったが、対象とした二大学は規模的に見ても本学と似ており、その制度や実践は非常に参考となるものであった。他方で、北米においては、通常理工学部などを卒業し、その上で教員を目指すものが教育学部に入り1-2年で教育実践を学び教員免許を取得することになるため、大学1年次から4年かけて教科の専門性と教育実践能力を同時に養成する日本の大学とは異なることも留意すべきである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アルバータ州における新自由主義教育改革とチャータースクール制度に関する一考察-その成立背景と制度設計を中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      平田淳
    • 雑誌名

      カナダ研究年報

      巻: 第30号 ページ: 1-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カナダ・アルバータ州における義務教育制度の多様性と質保証システムに関する一考察2010

    • 著者名/発表者名
      平田淳
    • 雑誌名

      比較教育学研究

      巻: 第41号 ページ: 33-48

  • [学会発表] PEI州、NB州における教員養成、免許、採用について2010

    • 著者名/発表者名
      平田淳
    • 学会等名
      カナダ教育学会
    • 発表場所
      東洋大学(東京都)
    • 年月日
      2010-11-27

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公開日: 2012-07-19  

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