本研究は、中国における性教育について検討することを通じて、日本の性教育への示唆を得ることを目的としている。平成19年度から平成20年度にかけて、この目的に基づいて、資料および情報収集することを中心に研究を進めた。 平成20年度の成果としては、まず、現地調査を行ない、資料収集することができたことである。平成19年度に購入した機材を使用し、調査にあたった。その際、性教育の授業場面を観察することはできなかったものの、小学校の科学の授業を観察する機会を得た。日本においても、性に関わる領域を一部扱う理科(中国では科学)について、資料収集することができた。平成21年度は、これらの資料を分析し、性に関わる領域についての扱いを、日本を比較しながら検討していきたいと考えている。 次に、中国中央教育研究所と京都大学教育学研究科を中心とした日中共同著作(予定されているタイトルは、『21世紀日本教育改革動態-中日学者的視角-』)の中の第5章「学校体育、健康与安全教育等問題」を担当したことである。子どもたちの健康と安全を守るという観点から、学校保健についてまとめた。この著作については、中国で8月末に出版予定である。 平成21年度については、平成20年度までに収集した資料や情報を整理し、これまでの研究成果をまとめていきたいと考えている。
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