本研究は、中国における性教育について検討することを通じて、日本の性教育への示唆を得ることを目的としていた。とりわけ理科における性に関する領域の扱いに注目して研究成果をまとめた。性にかかわる分野を扱う理科について、中国における「生物課程標準」と、日本における「中学校学習指導要領」に示された目標と内容を比較した。生殖と遺伝について扱う内容については、日本と中国とでそれほど大きな差はなかったものの、中国においては、生殖や遺伝にかかわる知識を身につけるだけではなく、健康的な生活をすごすことや、出産や育児に対する心構えを身につけることも示されていたことが明らかになった。
|