前年度に引き続き、研究代表者がこれまで調査を実施してきた大阪府内を中心に、フィールド調査を行った。本年度は、本研究計画に関連する事例として、地域住民による地域活動、特に、地域住民が参加するワークショップに注目した。これは、「集団についての科学」としてのグループ・ダイナミックスが、その黎明期より密接に関わってきた実践形式が、ワークショップであることが理由の一つである。本研究で注目した実践は、社会福祉協議会が企画したワークショップであり、住民自身が企画・発案したものではなかったが、その中では住民自身による議論が、継続的かつ活発に展開され、また、議論の結果として策定された行動計画が、実際に実行される様子が見られた。 ところで、本研究では、成果の国際的な発信を重視していた。本年度は、成果発表として複数の発表を行った。第1に、インドネシアで開催された国際会議(The 9th International Conference on Social Representations)では、地域活動に関する基礎的な研究として、ボランティアに関する研究の発表を行った。第2に、スペインで開催された国際会議(The 8th International Conference of the International Society for Third Sector Research)では、地域活動に関する基礎的な研究として、NPOに関する研究を発表した。第3に、グローバリゼーションの中での歴史認識に関する調査結果を、Springer社から発行される英文書籍の一部として発表した(現在、印刷中)。 本研究で得られた知見のうち、一部については研究成果としての発表ができていないが、今後の研究活動の中で順次発表していくことを予定している。
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