本研究の目的は、新自由主義的改革が進められる中、教師の自由について、ニュージーランドを事例として日本との比較を視野に以下の観点から学校長及び教師へのインタビュー調査に基づき実証的に考察することにある。 (1) 自治への自由:国家や諸団体からの自由という側面のみならず、「学校づくり」に教師はどれだけ自由に参与することができるのか(学校運営参加、保護者との関係、教育活動内容の決定裁量、人事評価の実態等から検討)。 (2) 学問の自由:教師自身の姿勢や実践状況から「学問の自由」はどれだけ確保されているか(教材や教育方法の研究への取り組み状況や意欲、研究に必要な時間や資金・研修へのアクセス度、更に研修等への意味づけ等から検討)。 (3) 進行中の諸制度改革において、教師の教育における自由を促進するもの、阻害するものはどのようなものか。
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