研究概要 |
本年度は, 地域社会連携の活動において, その連携の質をとらえることの重要性に鑑み, 現地調査を行うなどして、アメリカ高等教育のSL活動とその運営について分析してきた。 地域連携モデルを明らかにする際、アセスメントという側面について分析した。そもそもSLは, とに等しく与えられねば成立しない。言い換えるならば, 地域社会と教育機関とが互いに折り合いをつけた互恵の関係でなくては, ここまでの発展を遂げることはできなかった活動だといえる。それゆえ, その連携のあり方を診断し, 改善していくためのアセスメントが重視され, その運営方法のガキを握るものとなっている。 本年度明らかにしたモデルとしては、自分たちのニーズに見合った連携の形を検討できるバーグストロームの地域連携の類型や, 専門家でなくとも容易に参加できるよう配慮されたジェルモンの「地域社会レベルのアセスメント」などがあげられる。これらは, 今後にむけて大いに示唆を与えてくれるものであり、我が国でも大いに役立つ運営モデルの一つだといえる。とはいえ, こうした地域連携の類型やアセスメントモデルによってその成果や改善すべき点が確認できたとしても, それらの情報をどのように利用し, かつ, いかに地域社会と教育機関とが連携し合いながら改善活動へとつなげていくかという問題は残る。こうした地域連携の類型やアセスメントモデルの運用に関する事例分析, あるいはその検証については, 来年度の課題であると考えている。
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