本研究は、イギリスにおける大学の社会連携のあり方を労働者団体の組織化とその活動への参画をめぐる状況のなかに捉え、その特質を明らかにすることを試みた。(1)オックスフォード大学が生活協同組合と展開した教育事業を考察し、後の成人教育活動家の学習機会となっていたこと等を明らかにした。(2)労働者教育協会(WEA)の初期の活動を検討し、大学がWEA を通じて労働者団体と連携し、その教育事業を支援したことを具体的に明らかにした。(3)WEA代表のマンスブリッジに着目し、かれの大学観を明らかにすることで、大学と労働者団体の結びつきを可能にした思想の解明を試みた。
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