2007年度に予定されていた海外調査を、2008年9月に実施した。スウェーデンにおける改革の経緯や教員養成制度の実態などについての資料収集、及び教員養成学部担当者からの聞き取り、実際の授業見学などをおこなった。また、教員養成改革に関する文献収集もあわせておこなった。なお、当初予定されていた教育行政担当者に対する聞き取りについては、対応者との日程調整が難しかったため、次年度以降の課題となった。スウェーデン調査において明らかになったことは、 (1)教員養成における研究志向の強まり(ただし、学位を有するスタッフの少なさの問題が一方で指摘されていた)。実際、教育実習とセットになった形で、文献購読などのセミナーが設定されていた。 (2)「教科」による規制の強さに起因する教育養成・教員養成学部存立の難しさ。すなわち、既存のアカデミックな学問を前提とした「教科」となっているため、ぺダゴジ-の固有性・独自性が認められにくいこと。 (3)ボローニャ協定の影響により、スウェーデンの教員養瑛の在り方に変更を求められており、その改革の最中にあること。などが挙げられる。 今回は、予備調査の段階であるため、スウェーデンの教員養成の概況把握にとどまった。今後は、これらの改革がいかなる教員の専門性・専門職性を形成することになるのかなどを考えていきたい。
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