本年度の研究は以下のとおりである。 1) 昨年度の調査データを用いて、国内の学会での発表を2件行った。 (1) ジェンダーとの関連 : キャリア教育の問題点について、ジェンダーとの関連から検討を行った。女子の進路分化研究はこれまでメリトクラティックな選抜原理を持つ学校を差異化の装置として批判してきたが、学校の選抜と配分機能の弱まりと台頭してきたペアレントクラシー、キャリア教育の導入といった事柄は、従来のジェンダー研究に新たな課題を突きつけている。 (2) 事業所ヒアリング調査より : 中学生の職場体験の協力事業所に対するヒアリング調査データを用いて、生徒を受け入れる側の葛藤や工夫、感じている問題点などを明らかにした。 2) 日本の職場体験を行う学習の実残と中学生の職業の特徴について国際学会で報告を行い、その一部を論文にまとめた。 (3) 日本以上に急激な社会変動下にある中国・台湾において、高等教育機関におけるキャリアガイダンスの需要が高まっている。どのようなキャリア教育に関する理論が導入されているのか、個々の学校の取り組みはどのようなものか、ヒアリング調査を行った。
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