研究概要 |
(1)オーストラリアの大学の実態調査の実施(2007年7月〜10月) オーストラリアの全45大学について,大学のウェブサイトを通じ宗教に関連した学生サービスの提供状況を調査した。その結果,ほとんどの大学が学生の宗教に配慮したサービスを提供していることがわかった。その内,ムスリム専用礼拝施設・設備提供,イスラム教指導者の配置,ムスリム学生向けハンドブックの発行など,中でも積極的サービスを提供している大学を抽出して10月に現地調査(関係者へのインタビュー,関連施設・設備の見学)を行った。対象校は,クイーンズランド大学,南クイーンズランド大学,シドニー大学,ニューサウスウェールズ大学,メルボルン大学,モナッシュ大学,RMIT大学の7校である。 (2)日本の留学生受入れ主要大学に対する質問紙調査の実施(2007年11月〜08年2月 2006年留学生在籍数に基づき,在籍100人以上の67国立大学,在籍200人以上且つ非宗教系の76私立大学,計143大学に対して郵送による質問紙調査を実施した。回収率は,国立46.3%,私立51%であった。その結果,ムスリム留学生の在籍状況,ムスリム学生組織の有無,礼拝場所やハラール・フードの提供状況について,全国的なデータを収集することができた。その結果,大学の設置形態やムスリム留学生の在籍数,国際戦略等の諸要因により,学生の宗教的ニーズへの対応について様々な認識や取り組みがあることがわかった。その結果の概要については,2008年3月にコロンビア大学で開催されたCIES第52回大会で報告した。
|