本研究の目的は、在日ブラジル人のフォーマル教育、インフォーマル教育およびノンフォーマル教育の民族誌的調査をとおして、在日ブラジル人青少年の進路・教育選択過程を、教育人類学的観点から明らかにすることである。研究の結果、(1)在日ブラジル人を、定住者もしくは一時的在留民としてではなく、二つの国に足場を持ちつつ生活する人々として、動態的に捉えることが必要であること(2)在日ブラジル人の進路・教育選択において、2008年秋に起こった世界金融危機は大きな影響を与えていること(3)在日ブラジル人の進路・教育選択において、ブラジル人学校が果たす役割が大きいこと、の三点が明らかとなった。
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