本研究の目的は、幼児期における発達性協調運動障害(developmental coordination disorder:以下DCD)について類型化を行い、その類型別の支援について検討することである。 具体的には、(1)日本の幼児を対象にDCDのアセスメントを行い、DCDの疑われる幼児を抽出するとともに、類型化作業を通して幼児期における発DCDの特徴を整理するとともに、(2)「多様性練習仮説」に基づく文脈干渉効果に関する諸研究を本研究に応用し、DCDのある幼児の支援における課題の練習スケジュールを検討して、(3)それらのデータをもとにDCDのある子どもの教育的支援に関わる手がかりや探り提言につなげたいと考えている。 本年度(〜平成20年3月31日)は、DCDに関する文献等から最新の研究動向についての情報を収集するとともに、DCDの最新のアセスメントである英国製の検査(Movement Assessment Battery for Children2: MABC2)を邦訳し、その改訂前の版であるMABCと比較検討した後に実施した。その結果(1)MABC2は幼児の興味をひくなどDCDの評価に使用しやすい特徴を有し、検査としての信頼性も有意であった。重ねて類型化を試みたところ、幼児期のDCDは4群に類型化が可能と推察された。
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