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2009 年度 実績報告書

特別支援教育におけるインクルーシブ・カリキュラム開発のための歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19730554
研究機関筑波大学

研究代表者

米田 宏樹  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50292462)

キーワード特別支援教育 / インクルーシブ教育 / カリキュラム開発 / 知的障害教育 / 経験主義 / 社会生活能力 / 教科課程 / 教科外課程
研究概要

今年度は主に以下の2点の検討作業を行った。
1.日本の障害児教育カリキュラムの展開の検討:昭和38年養護学校小学部・中学部学習指導要領精神薄弱教育編と昭和46年指導要領及び資料の各教科の内容項目についての比較・検討を行った。その結果、46年新設の生活科は主に昭和38年の社会・理科・家庭の項目を中心に構成されていたが、身辺・学校・家庭・社会生活を網羅するように、生活に即した内容の充実が行われた。その一方で、国語や算数では、生活場面における活動の内容項目が減り教科の系統性が重視された。音楽や図画工作、体育も、同様に教科の特色が強調され、学習活動に付随する習慣的な活動は削除された。しかしながら、その教科の中にも、生活との関連の強い内容は残存しており、生活科とその他の教科の内容項目は、互いに関連していた。このため、知的障害教育の教育課程は、教科別の教育内容の分類による理解と、生活単元学習や日常生活の指導などの指導形態による具体的活動内容の理解との2重構造において捉えられなければならないことが確認された。
2.欧米におけるインクルーシブ教育カリキュラムの展開の検討:今年度は障害児の通常カリキュラムへのアクセスを支える人的資源となっているParaeducator(教育補助員)の導入とその役割の変遷について検討した。その結果、Paraeducatorの活用は、教員不足への対応として始まり、マイノリティーへの公教育保障・雇用機会の提供へと、さらには、障害のある児童生徒への適切な教育の提供のためへと拡大し、その人数も増加してきたこと、また、当初Paraeducatorは、児童生徒に直に接することのない事務を担当したが、現在では指導業務が中心となってきていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 精神薄弱教科「生活科」新設に伴う各教科の内容の変化―昭和38年と46年養護学校(精神薄弱教育)小学部・中学部学習指導要領及び資料の比較―2010

    • 著者名/発表者名
      山田康広・米田宏樹
    • 雑誌名

      障害科学研究 34(印刷中)

      ページ: 67-81

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 米国における Paraeducator の役割の変遷2010

    • 著者名/発表者名
      野口晃菜・米田宏樹
    • 雑誌名

      障害科学研究 34(印刷中)

      ページ: 29-42

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「個別の指導計画の作成」と知的障害特別支援学校における教科・自立活動を考える2009

    • 著者名/発表者名
      米田宏樹
    • 雑誌名

      実践障害児教育 11月号 37(5)

      ページ: 16-17

  • [雑誌論文] 障害のある子どもとの出会い体験―「交流及び共同学習」を考える2009

    • 著者名/発表者名
      米田宏樹
    • 雑誌名

      教職研修 6月号 37(10)

      ページ: 50-53

  • [学会発表] 米国の障害児教育の展開における Paraeducator の位置付け2009

    • 著者名/発表者名
      野口晃菜・米田宏樹
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第47回大会
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      2009-09-20
  • [図書] 「知的障害教育の内容と方法、知的障害教育における課題と展望」『理解と支援の特別支援教育 2訂版』(中村満紀男・前川久男・四日市章編)2009

    • 著者名/発表者名
      米田宏樹
    • 総ページ数
      252
    • 出版者
      コレール社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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