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2007 年度 実績報告書

日本の聴覚障害教育の制度的・方法的整備とドイツ情報の影響に関する比較教育学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19730556
研究機関聖徳大学

研究代表者

佐々木 順二  聖徳大学, 人文学部, 講師 (20375447)

キーワード聴覚障害 / 聾唖教育 / 教育制度 / 口話法 / 日本:ドイツ / 耳鼻咽喉科学 / 九州帝国大学 / 久保猪之吉
研究概要

本研究の目的は、日本の聴覚障害教育が制度的・方法的に整備される過程で、ドイツからの情報がどのように摂取され、いかなるに影響を与えたのかを究明することである。
平成19年度は、以下の二点に集約される文献の収集をおこなった。第一は、明治期以降の教育、科学、文化、政治等の日独交流史に関する文献であり、第二は、明治期以降にドイツを主要な留学先として飛躍的に発展し、日本の聴覚障害教育の方法的整備にも影響があったと考えられる耳鼻咽喉科学分野の文献である。
後者の文献については、本邦耳鼻咽喉科学の草創期に開設された九州帝国大学医学部耳鼻咽喉科学教室(現・九州大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科学教室)にて収集されてきた史資料の調査を行った。同教室は、1906 (明治39)年4月に開設され、翌年2月、ドイツ留学を終えた久保猪之吉(1874-1939)を教授に迎え、1927 (昭和2)年5月には、本邦最古の耳鼻咽喉科学博物館である久保記念館を設立、翌1928 (昭和3)年には専門雑誌「耳鼻咽喉科」を創刊させた。
九州大学附属中央図書館および医学分館、久保記念館、そして耳鼻咽喉科教室図書室等でおこなった史資料調査の結果、部分的ではあるが以下の仮説が導き出された。
1.九州帝国大学の耳鼻咽喉科学教室は、明治末期から昭和戦前期の耳鼻咽喉科学の臨床・研究、及び情報発信の一大拠点であった。
2.明治30年代後半から耳鼻咽喉科医師の聴覚障害教育への関心は存在したが、昭和初期以降になると、「声音及言語障害」の研究分野としての確立や、聴力検査機器の導入により、さらに顕著となった。
3.明治期から昭和初期の耳鼻咽喉科医師と聴覚障害教育との関わりは、聴器疾患や言語治療の臨床面だけでなく、聾唖教育の普及や聾唖者の社会的地位の向上といった社会的側面にも及ぶものであった。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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