本研究は、日本の聴覚障害教育が制度的・方法的に整備される過程で、その手本となった先進国の一つであるドイツからの情報がどのように摂取され、日本の聴覚障害教育の制度的・方法的整備にいかなる影響を与えたのかを究明することを目的とする。具体的には、次の手順をとる。 (1) 明治期から昭和戦前期を対象として、ドイツ渡航を経験した聴覚障害教育の関係者が残した足跡を整理し、ドイツから紹介された情報が日本の聴覚障害教育の制度的・方法的整備にどのように関係していったのかを明らかにする。 (2) 戦後期については、アメリカ教育使節団からのアメリカ情報の流入により、ドイツ的要素がどのように変容したのかを1960年代までを区切りとして明らかにしていく。
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