研究概要 |
Gorenstein環は現代の可換代数学において中心的な役割を果たしている重要な環である。私は主に全反射加群と呼ばれる加群を研究している。この加群は射影加群とGorenstein環上の極大Cohen-Macaulay加群の共通の一般化にあたる加群である。 当該年度における研究の主目的は,反変有限な全反射加群の圏をもつ環のGorenstein性(すなわちAuslander-Buchweitzの定理の逆のGorenSteinケース)を調べることであったが,この問題は完全に解決させることができた。正確に言うと,非自明な全皮射加群を持つ可換Noether Hensel局所環のGorenstefh性と,全反射加群の圏の反変有限性が同値であることが証明できた。この結果は一般の反変有限分解部分圏を考察することで得られたが,その考祭を種して,Gorenstein Hensel局所環上の反変有限分解部分圏は,加群圏,自由加群の圏,極大Cohen-Macaulay加群の圏の三つに限られるというととが判明した。この結果は全反射加群の圏だけを眺めていても得られないもめであり,との結果により,Gorenstein環だけでなく一般のCohen-Macaulay環上め反変有限分解部分圏を調べることが興味深くなってきた。 今年度は三回の国際会議における研究発表をはじめとして,多くの研究集会に参加し研究発表および情報収集を行い,多くの重要な成果を得ることができた。
|