研究概要 |
三角圏のthick部分圏の研究は,Devinatz, Hopkins, Smithによる安定ホモトピー圏のthick部分圏の分類に端を発する。その後HopkinsとNeemanが可換Noether環上の完全複体の導来圏のthick部分圏の分類を行い,Thomasonがこれを準コンパクト準分離スキームに拡張した。Benson, Carlson, Rickardはp群の有限次元表現の安定圏のthick部分圏の分類を行い,FriedlanderとPevtsovaがこれを有限群スキームに拡張した。このように三角圏のthick部分圏はホモトピー論・環論・モジュラー表現論・代数幾何学が共有する研究対象であり,分野間の研究交流を通して活発に研究されている。 私は,当該年度の研究において,超曲面上の極大Cohen-Macaulay加群から成る分解部分圏を完全に分類した。これにより,超曲面上の極大Cohen-Macaulay加群の安定圏という重要な三角圏のthick部分圏も完全に分類された。また,Tor, Extの消滅のrigidityに関するHuneke-Wiegandの定理を系として得た。
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