双曲曲面をディリクレ基本多角形に分割する際に、それが一般的と呼ばれる局所的に簡単な形で無ければ、微小変形により常に一般的な形に出来るかという問題がある。この問題は曲面では既に解かれているが、三次元では未解決である。本研究の主題は、曲面の場合の別証明を考える事で、三次元の場合にも適用出来る方法を探る事であった。 本年度は、前年度の研究を踏まえ、上記の問題の解決に向けての研究を更に進めた。その結果、Madrid大学のRaquel Diazとの共同研究により、証明の概略を得る事が出来た。現在は、研究論文雑誌への投稿に向けた準備として、証明の細部を詰める作業を進めている。 証明の細部を詰める段階では、他の研究者からのコメントを得る事が欠かせない。その為、今年度は研究集会以外にも、専門家の下への個人的な訪問や、また逆に専門家を金沢大学へ招く事も重点的に行った。
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