研究概要 |
多様体のトポロジーについて,多様体間の微分可能写像を主な題材にして,研究を行った。特に高次元トポロジーと低次元トポロシーの境界領域に着目して研究を行った。中でも6k次元球面内に埋め込まれた(4k-1)次元球面にある種のスパン結び目の構造が入ることを明らかにした研究は,独創性と新規性が高いと思う。この話題は代数トポロジーの分野で最近注目されているlong knotsの研究との関わりもあり,将来的な発展性も高いと思う。6k次元球面内に埋め込まれた(4k-1)次元球面については,それに対してある種のHopf不変量を定義され,このHopf不変量が車要な役割を果たすことを以前の研究で明らかにしていたが,このHopf不変量の果たす役割についてさらに研究を進めた。その一部については,2007年11月に金沢で行われたホモトピー論シンポジワムにおいて,招待を受けて1時間の講演を行った。他にも3次元多様体の4次元空間へのはめ込みに対する特異Seifert膜についても研究を行った。これらの事柄に関連する3本の論文が出版された。埋め込みやはめ込みだけでなく折り目写といった特異点を持つ多様体間の微分可能写像についても,多様体の大域的性質に関わる部分に注目しながら,研究を開始した。上に述べた他にも多くの研究集会に参加できたことは研究遂行上非常に有用であった。相対的には旅費に多くの金額を便ったが,これはほぼ予定通りの予算執行であって非常に有意義だった。
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