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2009 年度 実績報告書

クライン群の変形空間への等角幾何的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 19740032
研究機関名古屋大学

研究代表者

糸 健太郎  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00324400)

キーワード双曲幾何 / クライン群 / 等角構造 / リーマン面 / タイヒミュラー空間
研究概要

クライン群の変形空間についで研究している.ここでクラノン群とは3次元双曲空間の等長変換群の離散部分群のことであり,双曲空間をクライン群の作用で割った空間は3次元双曲多様体となる.特に商多様体が理想境界を持つ場合,クライン群の変形は理想境界の等角構造の変形で記述できる.しかしこの対応の連続性・不連続性については未知の部分が多く,いくつかの興味深い不連続性が知られている.その中でも私は,Kerckhoff-Thurstonによって見出された「タイヒミュラー空間のベアスコンパクト化の基点に関する不連続性」に代表される現象に興味を持って研究している.その研究の一つの過程として,今年度は穴あきトーラス群の変形空間の複素1次元スライスであるlinear sliceが,対応するトレースの値を2に近づけだときにMaskit sliceにどのように近づくかを考察し,幾何収束するための必要十分条件はトレースが2にhorocyclicに収束することである,という結果を得た.また,この現象はcomplex Fenchel-Nielsen座標を用いると非常に見通しがよくなることも示した.上述の結果はcomplex earthquake spaceとMaskit sliceとの間の類似性に統一的な説明を与えるものであり,穴あきトーラス群の変形空間の境界は局所連結ではないというBrombergの結果とも密接に関連している.さらに,明治大学の佐久川啓太氏(D2)と上述のlinear sliceの振る舞いを可視化するためのプログラムを共同で開発した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Linear Slices close to a Maskit slice2010

    • 著者名/発表者名
      糸健太郎
    • 学会等名
      日本数学会2010年度年会 函数論分科会
    • 発表場所
      慶応大学
    • 年月日
      2010-03-24
  • [備考]

    • URL

      http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~itoken/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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