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2007 年度 実績報告書

ミラー対称性と多様体の退化に関わる幾何の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19740034
研究機関東北大学

研究代表者

西納 武男  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50420394)

キーワードトロピカル幾何 / トーリック多様体 / 正則曲線 / 旗多様体 / フレアーホモロジー
研究概要

トロピカル幾何によるトーリック多様体上の正則曲線の研究を行った.曲線が種数0の境界成分を一つだけ持つ場合(ディスク)の結果は既に得ていたが、それを種数、境界成分の数ともに任意の場合に、ただし曲線がsuperabundantと呼ばれるクラスに入らない場合について、正則曲線とトロピカル曲線の関係を完全に解明した.証明の特別な場合として、G.Mikhalkinによるトーリック曲面上の完備正則曲線と実平面上のトロピカルカーブの関係に関する有名な結果の非常に短い証明を与える事ができた.
ミラー多様体において現れるintegral affine構造を持つ多様体を調べるための手段として、区分線形構造を持つ空間上のモース理論を開発した.R.Formanにより構成された組み合わせ論的なモース理論と特別な区分線形計量を用いる事により、ー般には非常に悪い振る舞いをする区分線形ベクトル場が、モース理論を構築する際に満たすべき性質を持つようにできる事を証明した.この理論は滑らかな多様体上のモース理論と組み合わせ的なモース理論の中間に位置し、両者の特性を併せ持っている.例えば多様体と限らない複体上でも定義できる一方、組み合わせモース理論ではなかった安定/不安定多様体などの幾何学的理論を考える事ができる.
また大阪大学の植田一石氏、東北大学の野原雄一氏(現名古屋大学)と旗多様体のフレアーホモロジーに関する研究を行った.旗多様体の上の可積分系の構造(Gelfand-Cetlin系)を保ちつつトーリック多様体に退化させる事で、特にGelfand-Cetlin系のファイブレーションのLagrangianトーラスのsuperpotentialの計算が可能になったので現在論文にまとめている.ここで用いた技法はかなり一般に使えるので,今後他の多様体への拡張、またはその他の応用を考えている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Global gauge fixing for connections with small curvature on $T^ 2$2007

    • 著者名/発表者名
      西納 武男
    • 雑誌名

      International Journal of Mathematics 18

      ページ: 165-177

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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