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2009 年度 実績報告書

ミラー対称性と多様体の退化に関わる幾何の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19740034
研究機関東北大学

研究代表者

西納 武男  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50420394)

キーワードトロピカル幾何 / トーリック多様体 / 正則曲線 / 旗多様体 / フレアーホモロジー
研究概要

昨年度に引き続き、東北大学の野原雄一氏、大阪大学の植田一石氏と共同で旗多様体のフレアーホモロジーに関する研究を進めた。C.Cho氏、Y.Oh氏によるトーリック多様体のフレアーホモロジーの研究の拡張を目指したもので、昨年度にはA型の旗多様体の場合に、トーリック退化を用いて、Gelfand-Cetlin系のマスロフ指数2のLagrangian境界条件の正則ディスクの数え上げを行ったが、今年度はより大きいクラスの多様体についてもトーリック退化の手法を適用できることを示した。より具体的には、weak Fanoトーリック曲面への退化を持つFano多様体に対して、ポテンシャル関数を計算する方法を開発した。これは特に球面の直積の場合には、深谷-Oh-太田-小野によるポテンシャル関数の計算を大幅に簡略化し、さらに3次超曲面など、他の場合にも適用できてポテンシャル関数を容易に計算できる。
また、昨年度に引き続き任意種数の正則曲線のトロピカル曲線を用いた数え上げの問題を考察し、ほぼ満足の行く形で完成させることが出来た。Superabundantと呼ばれるクラスのトロピカル曲線の特徴付けを、対応する特異正則曲線の層のコホモロジーを用いて行い、更にその変形理論を考察した。この場合は変形理論に障害があるのだが、倉西射像と呼ばれる変形の精密な情報を定義して、種数1の場合にはそれを具体的に計算した。種数が高い場合には具体的な計算が難しくなるが、理論的な問題点は全て解決した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Toric Degeneration of Flag Manifolds and Gelfand-Cetlin Systems2010

    • 著者名/発表者名
      西納武男
    • 雑誌名

      Advances in Mathematics 224

      ページ: 648-706

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Convergence of adiabatic family of anti-self-dual connections on products of Riemann surfaces2010

    • 著者名/発表者名
      西納武男
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Physics 51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] トロピカルカーブの幾何について2009

    • 著者名/発表者名
      西納武男
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1650

      ページ: 34-40

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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