研究概要 |
調和バンドルに実構造や可積分構造を載せたものであるTERP構造の変動について研究しました. TERP構造とは非可換代数幾何におけるHodge構造として期待されているものです. ワイルド調和バンドルから従順調和バンドルへ簡約に, TERP構造を載せたものを得ました. これを用いて, 混合TERP構造とHertling-Sevenheck軌道の同値性を確立しました. また以前から懸案になっていた偏極付混合ツイスター構造とツイスター冪零軌道との対応を確立しました. これらの結果に, 昨年度までの結果のサーベイをあわせてプレプリントにまとめて発表しました. これとは別に, ワイルド純ツイスターD-加群の双対, 実構造, 可積分構造について研究しました. 昨年度に書いた長い論文の改訂を行い, 理解しやすいように説明を付け加えた上で投稿しました. これとは別に, ドナルドソン不変量の代数幾何版の研究についてのモノグラフがシュプリンガーから出版されることが決まったため, その最終版を書きました. (2009年度初めに出版予定.) 昨年度までに得られた結果についての講演を, フランス, ベトナム, スペインで開かれた国際研究集会で行いました. (3月にアメリカでも講演の予定. )また, 東京大学で集中講義をし, 京都大学代数幾何学セミナー, 大阪大学談話会, 代数・解析・幾何学セミナー(於鹿児島大学)で講演しました.
|