• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

非Markov場への応用に向けた無限次元確率解析の展開

研究課題

研究課題/領域番号 19740043
研究機関東北大学

研究代表者

針谷 祐  東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20404030)

キーワード確率論 / 無限次元確率解析
研究概要

確率論における重要な研究対象の一つにブラウン運動と呼ばれる確率過程がある.その確率過程を経路空間上に実現したものがウィナー空間であり,この無限次元空間における,マリアバン微分に基づいた微分積分学はマリアバン解析と呼ばれる.
研究代表者は,2006年の研究において,ウィナー空間の部分空間として経路の各時点での値が常にユークリッド空間内のある有界領域に留まるというものを考え,マリアバンの部分積分公式をその部分空間上に制限すれば,有限次元におけるガウスの発散公式と同様に,その部分空間の境界からの寄与と呼ぶべき項が現れ,ユークリッド空間内の領域の境界に十分な滑らかさを仮定すれば,対応するコーシー問題の熱核の法線微分を用いてその項が具体的に表わされることを見出した.しかし,その表現の導出は直接的な計算に依っており,その背景にあるもの,例えば,領域変形の下での熱核の変分を記述するアダマールの変分公式の表現との類似性が生じる理由,は明らかではなかった.
平成19年度の主な研究テーマの一つとして,特にその類似性について考察した.その結果,上記の設定の下での無限次元発散公式とアダマールの変分公式とは,ともにブラウン運動のある分解公式からの帰結として統一的に捉えられることが分かって来た.その研究結果をまとめるとともに,この分解公式を成り立たせるためのより一般的な条件を見出すことは,平成20年度以降の研究課題の一つとなる.

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi