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2007 年度 実績報告書

可積分系の手法を用いた1次元無限粒子系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19740044
研究機関千葉大学

研究代表者

笹本 智弘  千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70332640)

キーワード無限粒子系 / 可積分系 / ランダム行列 / 揺らぎ
研究概要

今年度は、1次元非対称排他過程および関係する確率的界面成長模型の揺らぎに関する研究を中心に行った。特に行列式の形に書かれた1次元非対称排他過程の遷移確率を用いる方法を発展させ、以下のような結果を得た(カリフォルニア工科大Borodin氏、ワイエルシュトラス研究所Ferrari氏との共同研究)。
1) 左半分が平坦で右半分が液滴状になるような境界条件のもとでの界面成長の揺らぎについて、特にその性質が変化する原点付近に着目した解析を行った。1点での高さ揺らぎは、平坦部分と液滴部分でそれぞれ、ガウシアン直交アンサンブルおよびガウシアンユニタリアンサンブルと呼ばれるランダム行列の最大固有値の揺らぎと等しい事が知られていることから、境界部分では2つのアンサンブルの転移を記述するアンサンブルの揺らぎと等しいかと予想されたが、実際に計算を行ってみると、それとは別の揺らぎであることを強く示唆する結果を得た。
2)これまでの解析は主として時間変数が連続の場合であったが、それを離散時間に拡張する研究を行った。その結果連続時間の時には見られなかったいくつかの新しい点があることが分かった。また離散時間模型はある極限において連続時間の多核成長模型と呼ばれる界面成長模型を含んでいるが、その揺らぎの相関がBessel関数を用いた新しい積分核を持つフレドホルム行列式で与えられることが分かった。これらの成果は、すでにいくつかの国内および国際会議で発表した。
またランダム行列理論に関連する手法を用いた非対称排他過程の揺らぎの研究についての概説論文も執筆した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Dynamics of a tagged particle in the asymmetric exclusion process with the step initial condition2007

    • 著者名/発表者名
      T. Imamura and T. Sasamoto
    • 雑誌名

      J. Stat. Phys. 128

      ページ: 799-846

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fluctuation properties of the TASEP with periodic initial condition2007

    • 著者名/発表者名
      A. Borodin, M. Praehofer, P.L. Ferrari, T. Sasamoto
    • 雑誌名

      J. Stat. Phys. 129

      ページ: 1055-1080

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fluctuations of the one-dimensional asymmetric exclusion process using random matrix techniques2007

    • 著者名/発表者名
      T. Sasamoto
    • 雑誌名

      J. Stat. Mech

      ページ: 07007

    • 査読あり
  • [学会発表] 可積分系の手法を用いた1次元確率的無限粒子系の解析2008

    • 著者名/発表者名
      笹本智弘
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      20080300
  • [備考]

    • URL

      http://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~sasamoto/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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