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2008 年度 実績報告書

可積分系の手法を用いた1次元無限粒子系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19740044
研究機関千葉大学

研究代表者

笹本 智弘  千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70332640)

キーワード無限粒子系 / 可積分系 / ランダム行列 / 揺らぎ
研究概要

今年度は、1次元非対称排他過程において、粒子毎にホッピング率が異なるような場合の性質を調べた。まず、有限系において多時刻に関係する粒子の位置の結合分布がフレドホルム行列式に書かれること、その積分核が2重の複素積分の形に書かれることは前年度までの研究の拡張として自然に得られることが分かった。次に、ホッピング率が2種類のみの場合について漸近解析も含めより詳細に調べた。
普通のホッピング率の前に遅い粒子がいる場合、交通流でいう渋滞のようなことが起こり、密度が低い所から高い所に急激に変化することが予想されるが、それを実際に示すことができた。この場合、自然に得られる積分核で極限を取ることができないという困難が現れたが、行列式の値を変えないが有限な極限値を与えるような積分核の変形を見出すことにより解決することができた。また、ホッピング率が通常の粒子とほぼ同じ場合には、適当なスケーリング極限を取ることにより、これまでに知られていた分布間の遷移を記述する新しい分布を得ることができた。これらの問題については現在論文を準備中である。
また、Schur過程と呼ばれる関連する過程において、初期条件を任意にした場合の相関関数がやはり行列式の形に書けることを示し、その積分核を具体的に記述することができた。さらに特別な場合に対しては漸近解析も行い、外場のあるランダム行列との関係を議論した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Large time asymptotics of growth models on space-like paths II : PNG And parallel TASEP2008

    • 著者名/発表者名
      A. Borodin, P. L. Ferrari and T. Sasamoto
    • 雑誌名

      Comm. Math.Phys 283

      ページ: 417-449

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Correlation function of the Schur process with a fixed final partition2008

    • 著者名/発表者名
      T. Imamura and T. Sasamoto
    • 雑誌名

      J. Math. Phys 49

      ページ: 53302

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exact results for the 1D asymmetric exclusion process and KPZ fluctuations2008

    • 著者名/発表者名
      T. Sasamoto
    • 雑誌名

      Eur. Phys. Jour. B 64

      ページ: 373-377

    • 査読あり
  • [学会発表] The fluctuations of a tagged particle in one-dimensional exclusion process2008

    • 著者名/発表者名
      T. Sasamoto
    • 学会等名
      Random Tilings, Random Partitions and Stochastic Growth Processes
    • 発表場所
      モントリオール大学数学研究所
    • 年月日
      2008-09-05
  • [備考]

    • URL

      http://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~sasamoto

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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