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2009 年度 実績報告書

可積分系の手法を用いた1次元無限粒子系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19740044
研究機関千葉大学

研究代表者

笹本 智弘  千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70332640)

キーワード無限粒子系 / 可積分系 / ランダム行列 / 揺らぎ
研究概要

今年度は、まずホッピング率が異なる2種類の粒子のある非対称排他過程の性質を調べた。この過程においては、粒子のホッピング率の大きさなどを変えることにより、種々のスケーリング極限を考えることができる。たとえば、遅い粒子が複数ある場合における衝撃波の揺らぎは、有限次元ランダム行列と関係していることがわかった。
次に上述の研究から、Dysonの時間依存ランダム行列の固有値の最大値と、対称性のある時間依存ランダム行列の固有値には関係があることが分かった。これは、よく知られたブラウン運動の最大値と反射壁ブラウン運動の関係を多次元に拡張するものである。
さらにKPZ方程式と呼ばれる界面成長を記述する非線形確率偏微分方程式の漸近的な振る舞いを調べる研究も行った。まず空間離散化した過程の生成作用素のレゾルベントを調べることにより、揺らぎの指数が1/4以上1/2以下であることを証明し、正確な値が1/3と考えられる議論を与えた。また、非対称排他過程の流れに対するTracy-Widomの公式から出発することにより、狭いwedge型初期条件の場合に、1点における高さ分布を具体的に書き下すことができた。結果はフレドホルム行列式の積分という形になり、長時間での展開に適した形をしており、有限時間の補正も計算することができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Two Speed TASEP2009

    • 著者名/発表者名
      A.Borodin, P.LFerrari, T.Sasamoto
    • 雑誌名

      J.Stat.Phys. 137

      ページ: 936-977

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Maximum of Dyson Brownian motion and non-colliding systems with a boundary2009

    • 著者名/発表者名
      A.Borodin, P.L.Ferrari, M.Praehofer, T.Sasamoto, J.Warren
    • 雑誌名

      Elect.Comm.Probab. 14

      ページ: 486-494

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Superdiffusivity of the 1D lattice Kardar-Parisi-Zhang equation2009

    • 著者名/発表者名
      T.Sasamoto, H.Spohn
    • 雑誌名

      J.Stat.Phys. 137

      ページ: 917-935

    • 査読あり
  • [学会発表] Lattice KPZ equation2009

    • 著者名/発表者名
      T.Sasamoto, H.Spohn
    • 学会等名
      Scaling limits in models of statistical mechanics
    • 発表場所
      Oberwolfach ドイツ
    • 年月日
      20090800
  • [備考]

    • URL

      http://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~sasamoto

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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