研究概要 |
例えば0度における水と氷といったような相転移が起きている状況で現れる異なる二相を分離する境界面の確率モデルとして▽φ界面モデルを取り上げ, 特に界面と壁との相互作用に関するエントロピー的反発の問題に関連して次の研究を行った. エントロピー的反発において界面が壁上に存在すると条件付けることは, 負のときに無限大の値をとり正のときには0となるような自己ポテンシャルを加えた場合のGibbs測度を考えることに対応する. そこで界面を正の方向へ押しやるようなより一般の自己ポテンシャルを加えた場合の界面の挙動について調べた. 結論として, 場の持つ長距離相関を反映して, 任意の非増加関数を自己ポテンシャルとして加えた場合に少なくとも正に条件付けた時と同じだけ界面が持ち上がることを証明した. これはLebowitzらによって以前に得られていた評価の精密化を与え, 例えば負のときに無限大ではなく正の値をとり正のときには0となる自己ポテンシャルを加えた場合においても界面は常に非局在となることを意味している. また界面が壁上に存在すると条件付けたときと同じだけ持ち上がるための自己ポテンシャルの十分条件を与えた. これらの結果は現在論文を専門誌に投稿中である.
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