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2009 年度 実績報告書

アデール上の確率過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19740055
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

安田 公美  慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (40284484)

キーワードP進体 / 確率過程
研究概要

2008年度までに構成したアデール準安定過程のいくつかの領域からの脱出時刻を用いたリーマンのゼータ関数,およびオイラー積表示をもつ一般の複素数値関数の表現式を得た.これはまず,脱出時刻の分布式の形に注目し,目標とする関数に応じて準安定過程の指数を適切に選ぶことによって成し遂げられた.この表現式が、今後アデール上の確率解析の手法を用いて数論的関数を解析するための基礎となる.上で得た複数の表示式を比較することにより,リーマンのゼータ関数に関するいくつかの関数等式を得た.これは従来の関数等式と異なり,複素数とその共役複素数での値や,複素数とその実部での値の間の関係を記述している.こうした関数等式も,関数の解析を進める上で大きな足がかりになると期待できる.さらに,リーマンのゼータ関数の非零領域と密接に関係するチェビシェフ関数が,アデール上の準安定過程の有限整アデールからの脱出時刻の分布を用いて表されることを発見した.このことから,ゼータ関数の非零領域の問題が,アデール上の準安定過程の列における脱出時刻の期待値の漸近挙動として表現できることが分かった.すなわち,ゼータ関数に関する未解決問題がアデール上の確率過程の列に関する命題と同等であることが示されたため,確率解析の手法を応用して数論的命題にアプローチできる可能性が得られた.この同値関係は,確率過程の脱出時刻の期待値という単純な式で与えられるため,具体的な解析ができる見込みは十分にあると考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Markov processes on R^2 with ultrametric jumps2010

    • 著者名/発表者名
      Kumi Yasuda
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1672

      ページ: 111-116

  • [学会発表] Markov processes on the adeles and applications2010

    • 著者名/発表者名
      Kumi Yasuda
    • 学会等名
      神楽坂解析セミナー
    • 発表場所
      東京理科大学理学部
    • 年月日
      2010-03-18
  • [学会発表] Markov processes on the adeles and representations of Riemann zeta function2010

    • 著者名/発表者名
      Kumi Yasuda
    • 学会等名
      Seminar on Mathematics
    • 発表場所
      Opole University
    • 年月日
      2010-03-11
  • [学会発表] p進値確率過程について2009

    • 著者名/発表者名
      安田公美
    • 学会等名
      確率論ヤングサマーセミナー
    • 発表場所
      国民宿舎つづらお荘
    • 年月日
      2009-08-20
  • [学会発表] Q_pのはなし2009

    • 著者名/発表者名
      安田公美
    • 学会等名
      確率解析の理論と応用-さよなら箱崎
    • 発表場所
      九州大学数理学研究院
    • 年月日
      2009-07-25
  • [学会発表] Markov processes on R^2 with ultrametric jumps2009

    • 著者名/発表者名
      Kumi Yasuda
    • 学会等名
      Stochastic Analysis of Jump Processes and Related Topics
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      2009-07-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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