変分解析における距離正則性に対して、関数解析的手法による定量解析と最適化問題などに現れる不等式系に対する距離正則性の応用研究を行った。主な研究成果は以下の通りである。1.Banach空間上の不等式系に対する正則性のモジュラスの等式評価を与えた。 証明に際して、既存手法の限界を反例を挙げることで示し、同値ノルムの列を考慮することが鍵となった。2.成果1を一般化し、Banach空間上の閉凸グラフを持つ集合値写像に対する正則性のモジュラスの等式評価を与えた。3.ユークリッド空間上の連続写像によって定義される集合に対して、劣微分の計算を繰り返し用いることで法線ベクトルの公式を得た。
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