研究概要 |
指数が関数であるとき,それは変動指数と呼ばれる。変動指数をもつルベーグ空間の概念は,1930年代にOrliczによって導入された。最近,Dieningがlog-ヘルダー連続と呼ばれる連続性をもつ変動指数に対して,Hardy-Littlewoodの極大作用素の有界性を証明し,それを契機にして,変動指数をもつ関数空間の研究が精力的に行われるようになった。本研究では,log-ヘルダー連続より弱い連続性の変動指数をもつ関数空間において,同じような議論を展開し,Hardy-Littlewoodの極大作用素の有界性からリースポテンシャルに関するソボレフの不等式,Trudingerの不等式,Hardyの不等式について新しい知見を得ることができた。 平成19年度の研究において,Log-ヘルダー連続な変動指数のもとで,ソボレフ空間に含まれる単調関数のFatou型定理やリンデレーフ型定理などの境界挙動に関する結果を得ることができた。さらに,変動指数の連続性を緩和したもとで単調関数の境界挙動に関する新しい知見を得ることができた。
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