最近、あらゆる銀河において、バルジの速度分散が大きな銀河ほど質量の大きなブラックホールが存在していることが分かって来た。この関係は、銀河同士の衝突合体の結果、その中心の巨大ブラックホール同士も合体成長するブラックホールの階層的成長を強く示唆している。銀河同士の合体を経て、巨大ブラックホール同士が単一の超巨大ブラックホールへと成長するまでの間、安定したバイナリーを形成する段階が必ず存在する。最近の観測では、はっきりとした確証は得られておらず、バイナリーブラックホールを、どのように検出するかが大きな問題となっている。そこで、バイナリーブラックホールの検出に向けて、理論的な面から新たな方法を提案する。一方で、巨大ブラックホールがバイナリーを形成してから最終的に合体するまで、どのように進化していくかという問題(ファイナルパーセク問題)、宇宙物理学におけるオープン問題の一つとして知られている。本研究では、この問題に対する解決策も提案していく。
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