活動銀河核(AGN)は、108太陽質量程のブラックホール(BH)へのガス降着により、典型的銀河の100倍ものエネルギーを放射している。AGNの強い極紫外線放射は星間ガスの冷却を阻害し、宇宙の星形成史を制御してきた。しかし、巨大BHの形成過程、及び銀河との共進化の起源は未だ謎である。 そこで、急激に成長中の巨大BHを宿す事が最近明らかになった、誕生中のAGN"原始AGN"と巨大BHになる直前の中間質量BH候補天体である超高光度X線源に着目する。原始AGNは大量の極紫外線を放射する為、BH成長史のみならず銀河進化史においても注目を集め始めている。本研究では、原始AGNの電波・近赤外線・可視光観測から、共進化過程を明らかにする。また、超高光度X線源の放射スペクトルとその時間変動から、本当に中間質量BHが存在するのかどうか吟味を行う。さらに、原始AGN降着円盤の時間変動を理論的に解き、その偏光X線放射を理論予測する。
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