研究課題
宇宙塵(ダスト)の組成進化をも含む銀河の化学進化モデルの構築を試みている。ダスト減光特性を決める重要な要素であるダスト粒子サイズ分布のモデル化に困難があり、思うように研究が進展しなかった。次年度はぜひともこの点を解決したい。銀河スケールでのダストの影響を総合的に議論する研究会「銀河のダスト」を今年度も開催した。研究会の成果は収録にまとめて印刷発行する予定である。国内の研究者のネットワーク化を進めるため、この研究会を次年度以降も継続的に開催していく。銀河内で生成されたダスト粒子は、銀河外へ放出され銀河間空間に至る場合がある。ガス密度が極端に希薄で、かつ、X線や紫外線の放射密度の比較的高い銀河間空間の環境でのダストの物理過程を調べた。特に、光電効果による加熱が効果的となる可能性があり、その加熱率について詳しく調べた。また、銀河間空間のさまざまな環境パラメータに応じてダスト加熱率を簡便に計算する公式を提案した(論文印刷中)。昨年度開発した輻射輸送数値計算コードを、惑星系形成の現場となる原始惑星系円盤に応用し、その温度・密度構造の解析を行なった。また数値計算結果を解釈する解析的モデルも与え、従来標準的とされた2層モデル(上部高温層、下部低温層)の不備を指摘し、3層モデルを提案した(論文出版済み)。
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Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 393巻4号
ページ: 1377-1390
Earth, Planets and Space 未定(印刷中)
Publications of Astronomical Society of Japan 60巻32号
ページ: 557-563
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 387巻4号
ページ: 1681-1692