原子核系には2つの非中心力、すなわちスピン・軌道力とテンソル力が非常に強く作用することが知られている。これらの競合は、シェル構造やクラスター構造など、原子核が励起エネルギーや陽子・中性子数の関数として構造を変化させる際に決定的に重要な役割を果たしている。本研究では、新しい模型を提案するとともに種々の原子核構造・反応模型を組み合わせ、安定核や中性子過剰核においてこれらの競合を研究し、中性子過剰核の励起状態に現れる新しい構造(過剰な中性子によって安定化する幾何学的クラスター状態)についても議論した。
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