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超弦理論は重力の量子論的側面を記述する理論として注目されている。特に低エネルギー領域では超弦理論は超重力理論によって近似され、ブラックホールを古典解として記述することができる。しかしながら、曲率が大きくなると古典的解析は信用できなくなり、超弦理論の量子効果が重要になる。このとき超弦理論の有効理論はもはや超重力理論ではなく、さらに高次微分の補正項が入った理論になる。この補正に関しては現在のところ完全には導出されていない。私は重力の量子補正に関する研究をM理論と呼ばれる超弦理論の強結合領域を記述する理論の枠組みで考察した。その結果、4階形式場のフラックスが入った部分に関してプログラムを組んで完全に決定する研究を行った。その研究内容に関しては現在論文にまとめている最中である。さらに、M理論が定義されている10次元時空を3次元へ次元削減してその有効作用を解析することで、ブラックホールの重力解に関する補正を研究するを行った。具体的にはそのような理論は3次元の重力理論にトポロジカルなChern-Simons項を加えた理論となっており、TMG理論と呼ばれている。私はこのTMG理論に存在する3次元ブラックホール解の性質、特にその無限遠方での対称性を調べることで、無限遠方には2次元の共形場の理論が存在することを示した。そして、その微視的状態数の数え上げを実行することでブラックホールのエントロピーを導出することに成功した。これは3次元では重力理論の補正を考慮した枠組みにおいても、反ドジッター時空と共形場の理論に対応があることを検証したという点で、非常に重要だと思われる。この結果に関しては様々な場所に招待され、講演を行った。
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