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2010 年度 実績報告書

精密宇宙論的観測データに基づく宇宙の進化と素粒子物理

研究課題

研究課題/領域番号 19740145
研究機関佐賀大学

研究代表者

高橋 智  佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (60432960)

キーワードインフレーション / 初期密度揺らぎ / 非ガウス性 / カーバトン / 等曲率揺らぎ
研究概要

近年のWMAP衛星の宇宙背景放射の揺らぎの観測などにより、宇宙初期から現在までの進化過程の理解が進んできた。特に、初期宇宙の様子を探る上で大変有用なのは初期密度揺らぎであるが、近年の精密宇宙観測によりその性質がより詳細に知られるようになってきた。特に近年、初期揺らぎの性質の中でも、その非ガウス性が観測により詳しく探ることができるようになってきており、近い将来の観測でも鍵となる観測量である。またこの初期揺らぎの非ガウス性は、初期宇宙の模型を峻別する際に大変有用であるため、近年盛んに研究されている。
初期揺らぎの非ガウス性を調べる際、通常は3点関数、また4点関数などを調べていくが、これまでの多くの研究では、主にこれらの振幅の大きさのみについて、様々な初期宇宙の模型で調べられてきた。しかしながら、ある種の模型では、3点関数において、大きなスケール依存性が生じることがある。我々は、この非ガウス性のスケール依存性について、大きな非ガウス性を生成しうることで知られるカーバトン模型において調べた。そして、カーバトン場の自己相互作用が大きな場合は、将来の観測で十分検出しうるスケール依存性が生じることを具体的に示した。この研究により、非ガウス性のスケール依存性は模型を峻別する際、非常に有用であることが示された。
さらに、初期密度揺らぎにおける等曲率揺らぎの非ガウス性についても調べた。暗黒物質の候補として知られるアクシオンや、またバリオン数生成機構と知られるアフレックダイン機構などでは、等曲率揺らぎが生成される可能性がある。よって、この等曲率揺らぎの調べることにより、暗黒物質の正体や、宇宙のバリオン数生成機構について、興味深い情報が得られる可能性がある。我々は、このような等曲率揺らぎが生成されうる場合における非ガウス性を調べるための一般的な定式化を行った。s

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Primordial Trispectrum from Isocurvature Fluctuations2011

    • 著者名/発表者名
      D.Langlois, T.Takahashi
    • 雑誌名

      JCAP

      巻: 1102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dark energy from primordial inflationary quantum fluctuations2010

    • 著者名/発表者名
      C.Ringeval, T.Suyama, T.Takahashi, M.Yamaguchi, S.Yokoyama
    • 雑誌名

      Phys.Rev.Lett

      巻: 105 ページ: 121301-1-121301-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Scale-dependence of Non-Gaussianity in the Curvaton Model2010

    • 著者名/発表者名
      C.T.Byrnes, K.Enqvist, T.Takahashi
    • 雑誌名

      JCAP

      巻: 1009

    • 査読あり
  • [学会発表] Cosmological Aspects of Long-Lived Charged Massive Particles2010

    • 著者名/発表者名
      Tomo Takahashi
    • 学会等名
      Planck 2010
    • 発表場所
      CERN
    • 年月日
      2010-06-02

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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