近年、宇宙論の観測の発展は目覚ましく、WMAP衛星による宇宙背景放射の揺らぎの観測に代表されるように、より精密化されてきた。2009年にはWMA衛星よりもさらに精密に宇宙背景放射の観測が可能になるPlanck衛星が打ち上げられ、今後さらに多くの精密な宇宙論のデータが期待できる。これらのデータにより、宇宙の発展の歴史、また現在の姿の理解が大きく進む事が期待される。本研究ではこれらの精密な観測データを用いて、宇宙の進化の歴史を明らかにし、そして宇宙進化の研究から、素粒子物理を理解していく、ということを目的とする。特に、宇宙進化の過程の中で、宇宙初期の物理、特に初期密度揺らぎに関連した物理と、また現在の加速膨張宇宙に焦点を当て、研究を進めていく。
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