本課題では超対称性粒子の探索、とりわけ測定イベントに高横運動量光子を持つ特徴的な超対称性イベントを捕えるのが目的である。まずはアトラスグループ内でこのような信号を持つ超対称性事象を研究するコラボレータを集めてグループを形成し、グループをまとめる代表者になった。本年度はシミュレーションデータを用いこれらの信号が実際にアトラス検出器でどの程度観測されるのか、また測定に不備があるとすればどうすれば改善出来るかなどを詳細な検出器シミュレーションを用いて評価した。同時に信号と間違えてしまう可能性のある背景事象の量の評価も適宜行った。またこのチャンネルでは通常の超対称性粒子探索に使われる事象トリガーに加えて、光子オブジェクトを直接使用するトリガーも考えられる。これらが実際にLHCが稼働した直後の初期データでどの程度有効であるかなども評価した。また非指向型光子の検出に関しては、標準的に光子や電子の測定で使われている粒子識別条件を大幅に緩めて、斜め入射にたいする検出効率を上げる研究を進めることが出来た。またこの緩めた条件下でも、背景事象の抑制は已然十分であり、実データに適用することが現実的に可能であることも示せた。これらの活動はノートとしてまとめる計画である。
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