研究課題
本課題では当初、初年度にLHCアトラス実験に於ける初期データを用いた検出器のコミッショニングを行い、次年度に加速器のデザインエネルギー値14TeVを用いた超対称性粒子探索を行う計画であったが、度重なる実験計画の遅延により、陽子・陽子衝突は未だ実現していない。その為、現時点では詳細なシミュレーションデータによる実験初期での発見能力評価を行うに留まっている。大型の国際協力実験であるアトラス実験では実験開始に際し、この発見能力評価等をグループ全体で推し進めてきており2000ページに渡る詳細な物理レポート作成を最新のシミュレーション情報に基づき行った。本研究代表者は本課題の主目的である、高横方向運動量γ線を伴った事象を用いた超対称性粒子探索、更にそのγ線が長寿命超対称性粒子起源の時に観測される「非指向γ線」を研究対象とする活動をアトラスグループ内で指揮し、論文と言う形でまとめた。これは前述のアトラス実験レポートの一部として掲載されている。これらの特徴的な事象を最新の詳細な検出器シミュレーションを用いて評価し、アトラス検出器で実際に捕らえることが出来、発見に繋がることを示すことが出来た意義は深い。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Expected Performance of the ATLAS Experiment, Detector, Trigger and Physics, CERN-OPEN-2008-020 1
ページ: 1660-1693