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2009 年度 実績報告書

超高エネルギー陽子衝突実験によるヒッグス粒子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19740165
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

東城 順治  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (70360592)

キーワード素粒子物理 / ヒッグス粒子
研究概要

LHC加速器とATLAS検出器は、2009年秋から衝突実験を開始し、重心系エネルギー900GeV,2.36TeV,7TeVでの衝突データを取得した。本研究におけるヒッグス粒子探索のための主たるプローブである電子・光子の同定と再構成の研究を、取得した実データを用いて重点的に行った。電子・光子の同定と再構成のためには、電磁カロリメータにおけるエネルギー較正と内部飛跡検出器における飛跡再構成が重要である。まだ積分ルミノシティが低いこともあり、中性パイ中間子の2光子崩壊の再構成とモンテカルロ・シミュレーション・サンプルを用いて、電磁カロリメータのエネルギー較正を行った。内部飛跡検出器については、高ノイズのチャンネル等の較正用データを定常的に取得し、高品質のデータを再構成することに成功した。これらの研究の成果として、900GeVにおける、荷電粒子多重度に関する論文を出版した。今後、7TeVでの衝突データを高統計で蓄積し、データ解析を引き続き行っていく予定である。
また、ヒッグス粒子探索における標準模型に起因するバックグラウンド事象、特に光子を週状態に含む過程について、モンテカルロ・シミュレーションによる研究を行った。我々のデータ解析手法では、さまざまな実験・検出器条件を考慮してモンテカルロ・シミュレーションを行い、実データを理解する方向が強力である。しかし、光子を終状態に含む過程では、量子色力学におけるNLO補正を導入したイベントジェネレータは存在しない。そこで、この過程のイベントジェネレータの開発を行った。クォーク・グルーオンから光子へのFragmentation等、まだ課題は残されているが、今後も開発を続け、実データの解析に使用できるレベルまで引き上げる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Charged-particle multiplicities in pp interactions at sqrt(s)=900GeV measured with the ATLAS detector at the LHC2010

    • 著者名/発表者名
      ATLAS Collaboration, G.Aad et.al.
    • 雑誌名

      Physics Letter B668

      ページ: 21-42

    • 査読あり
  • [学会発表] ATLAS SemiConductor Tracker の Beam Data を用いた解析2010

    • 著者名/発表者名
      廣瀬穣, 花垣和則, 東城順治, 他
    • 学会等名
      日本物理学会 第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県)
    • 年月日
      2010-03-23
  • [学会発表] LHC実験解析のためのQCD高次補正を含む2光子生成イベントジェネレータII2010

    • 著者名/発表者名
      栗原良将, 尾高茂, 東城順治
    • 学会等名
      日本物理学会 第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県)
    • 年月日
      2010-03-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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