• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

半導体単一量子ドットにおける励起子複合体位相緩和過程の高感度測定

研究課題

研究課題/領域番号 19740175
研究機関静岡大学

研究代表者

阪東 一毅  静岡大学, 理学部, 助教 (50344867)

キーワード励起子 / 量子ドット / コヒーレンス
研究概要

半導体量子ドット中の励起子はコヒーレンスが長時間持続する点が優れており、量子ゲート操作など量子情報科学への応用が期待されている。しかし単一量子ドットレベルでのデコヒーレンス時間の測定は困難が多い。本研究課題では高感度・高分解能に計測可能なフーリエ分光法を単一InP量子ドットに適用した。その結果、低温下において温度上昇とともに励起子線幅が先鋭化する、つまりコヒーレンスが回復するという極めて興味深い結果が見いだされ、それによって励起子位相緩和過程の新たなメカニズムを提案することができた。フーリエ分光法によって得られた励起子発光の自己相関強度は遅延時間とともに非指数関数的な特徴のある時間減衰を示すことがわかった。さらにその減衰が6Kから20Kまでの間に温度上昇によって長くなると言う異常な結果が見いだされた。この結果はフォノンによる通常の位相緩和メカニズムだけでは説明できず、環境揺らぎの効果が大きく影響しているというモデルをたてることで非常に単純に説明できることがわかった。障壁層にトラップされた余剰キャリアがドットの励起子ヘランダムなエネルギーシフトをもたらすことによってわずかなスペクトル拡散を起こし、これが熱活性によって温度の上昇とともにこのメカニズムが減少することによって温度依存性を無理なく説明することができる。本研究課題によって、これまで明らかにされてこなかった量子ドット中の励起子の位相緩和過程のメカニズムを新たに説明ずるモデルを提案することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] harrowing of exciton linewidth of a quantum dot with increasing temperature2009

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Bando
    • 雑誌名

      physica status solidi c 6

      ページ: 57-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interferometric spectroscopy for excitons in InP single quantum dots2008

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Bando
    • 雑誌名

      Journal of Luminescence 128

      ページ: 855-857

    • 査読あり
  • [学会発表] Narrowing of exciton linewidth of a quantum dot with increasing temperature2008

    • 著者名/発表者名
      Kazuki. Bando
    • 学会等名
      8^<th> International Conference on Excitonic Processes in Condensed Matter
    • 発表場所
      Kyoto, Japan
    • 年月日
      20080622-27

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi