本研究では、光学および磁気活性な遷移金属イオン(Mnイオン)を不純物としてドープしたコア/シェル型半導体ナノ粒子(CdS:Mn/ZnS)を作製し、その光学特性について詳細に調べた。Mn濃度を変化させた場合のMn発光強度、ダイナミクス、磁気円二色性スペクトルなどの測定では、Mn濃度の上昇に伴いMnイオン間の交換相互作用によって反磁性結合したMnペアが形成し、これが光学特性に影響を及ぼすことが明らかになった。また、単一ナノ粒子分光によるMn発光の測定では、Mnイオンと励起子との交換相互作用による高効率エネルギー移動によって、Mn発光が安定化し発光明滅現象が抑制されることが示された。
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