固体表面の磁性およびスピン特性を原子分解能で検出するスピン偏極走査トンネル顕微鏡技術の確立を目指して、高品質の磁性薄膜試料及び磁性探針を作製するための基礎的な研究を行った。磁性探針の磁化方向を校正するために、タングステン(110)表面に1.5モノレイヤーの鉄原子を堆積した試料を作製した。その結果、鉄薄膜の磁化特性は基板タングステン表面の清浄度に強く依存することが判明した。また、単一磁性原子のスピン検出を行う基板にはアルミナ表面を作製するが、その予備実験として銅-アルミニウム合金表面の電子状態を明らかにした。
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