• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

ルテニウム酸化物における「異常な」異常ホール効果と磁気構造

研究課題

研究課題/領域番号 19740203
研究機関東京医科大学

研究代表者

小林 義彦  東京医科大学, 医学部, 講師 (60293122)

キーワードペロブスカイト型Ru酸化物 / 異常ホール効果 / 磁気測定 / 電子輸送測定 / 強相関電子系 / 結晶構造解析 / 構造相転移 / 電気・磁気特性
研究概要

ペロブスカイト型Ru酸化物Ba_x Sr_<1-x>RuO_3に代表される、強磁性かつ金属的電気伝導を示す酸化物において報告されている異常ホール効果の「異常」の有無およびその原因を明らかにするため、以下の研究を行った。
1. Ba_xSr_<1-x>RuO_3単結晶を作製し、磁気測定、電子輸送測定を行った。その結果、我々が以前薄膜において報告した、(1)60K以下の低温では中間磁場領域で磁化ではスケールできず、約7Tの高磁場では消失する異常ホール効果の余剰項がある。(2)60K以上での異常ホール効果はこれまでの左右非対称散乱メカニズムで説明できる。(3)強磁性相と常磁性相では正常ホール係数・異常ホール係数とも大きく異なる、といった異常ホール効果の「異常」がバルク単結晶でも生じることを明らかにした。以上の結果より、Ba_xSr_<1-x>RuO_3における異常ホール効果の「異常」が、構造歪み、組成変調といった薄膜化に伴う特性により生じたものではなく、この物質の本質的な物性であることが明らかになった(論文投稿準備中)。
2. Sr濃度変化に対し構造が変化する系であるBa_xSr_<1-x>RuO_3多結晶試料において、これまで明らかにされていなかった6層構造の構造解析を行った。その結果室温では単斜晶C2/c髄、高温で六方晶P6_3/mmc髄であることを明らかにした。また、9層、4層、6層、ペロブスカイト相の相境界と固溶限界を明らかにし、この系のSr濃度に対する相図を確立した(論文投稿中)。
3. Ba_xSr_<1-x>RuO_3と同じペロブスカイト構造をもち、Bサイトに異なる遷移金属イオンを秩序配列させた強磁性酸化物La_<2-x>Bi_xNiMnO_6において構造解析、電気・磁気特性の研究をおこない、Ni-O-Mn間の超交換相互作用とBi-Oの共有結合の競合により磁性と誘電特性が競合すること、見かけの電気磁気特性が向上することを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Crystal Structure, Magnetism and Dielectric properties of La_<1-x>Bi_XNi_<0.5>Mn_<0.5>O_32008

    • 著者名/発表者名
      Y. Kobayashi
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 77

      ページ: 084701-1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hyperfine Magnetic Field at ^<55>Mn in Ferromagnetic Perovskites REMn_<0.5>(Ni_<1-x>Mg_x)_<0.5>O_3 with RE=La, Pr, Nd and Eu-RE Dependence of Supertransferred Hyperfine Interaction-2008

    • 著者名/発表者名
      T. Kawakami
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 77

      ページ: 094714-1-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High field magnetostriction of spin-state transition compound LaCoO_32008

    • 著者名/発表者名
      K. Sato
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 77

      ページ: 24601-1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] Ba_<1-x>Sr_xRuO_3の「異常な」異常ホール効果2009

    • 著者名/発表者名
      小林義彦
    • 学会等名
      日本磁気学会第32回化合物新磁性材料専門研究会
    • 発表場所
      早稲田大学(招待講演)
    • 年月日
      2009-03-06

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi