| 研究概要 |
初年度に当たる本年度は,予備的な研究として,自己エネルギーを摂動論的に構成する方法の適用可能性を調べることを目的とした.具体的には,動的平均場理論,特に,遂次摂動理論の適用の妥当性を詳細に検討することを目的とした.
重い電子系の理論モデルの一つである周期的加Andersonモデルに対して,自己エネルギーを摂動論的に構成する逐次摂動理論を,磁場中でも適用できるように拡張した修正逐次摂動理論の枠組に沿って,計算プロラムの作成を行った.修正逐次摂動理論の枠組の中で周期的Andersonモデルの磁化過程を調べるために,磁場を印加した場合の磁化の計算を行えるよう,プログラムを作成した.本年度は,予定した研究段階まで進まず,具体的に磁化過程を計算するまでには至らなかった.
また,粒手-正孔対祢性がない一般の場合の周期的Andersonモデルに適用できるよう,修正逐次摂動理論に甚つぐ計算プログラムを作成した.
現実的な系を念頭においた磁性イオン希釈モデルとして、各磁性イオンサイトでの電子のエネルギーがAイオンとBイオンで異なるように拡張した周期的Andersonモデルを採用し,コヒーレント・ポデンシャル近似と動的平均場理論,特に,修正逐次摂動理論を組み合わせた枠組を構成した.数値計算に必要な予備計算プログラムを作成した.
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