重い電子ー価数揺動転移に伴う物性の変化

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19740221
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 物性Ⅱ
• 研究機関: 独立行政法人物質・材料研究機構
• 研究代表者: 辻井 直人 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, 主任研究員 (90354365)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: 強相関系 / 価数揺動 / 重い電子系 / 非フェルミ液体

研究概要

価数揺動はf電子系の重要課題であるが、近藤温度が低い物質においては、この効果はほとんど無視されてきた。本研究では量子臨界点に近いYbCu3.5Al1.5や磁気秩序を示すYbCu3Al2においても価数揺動が起きていることを、試料作成と物性測定により明らかにした。また半導体FeGa3やFeSiは価数揺動によってバンドギャップが開いている可能性が議論されていたが、本研究により古典的バンド半導体であることが示された。

研究成果

• [雑誌論文] Observation of Energy Gap in FeGa3 (2008)
  • 著者名/発表者名: N. Tsujii, H. Yamaoka, M. Matsunami, R. Eguchi, Y. Ishida, Y. Senba, H. Ohashi, S. Shin, T. Furubayashi, H. Abe, H. Kitazawa
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan vol.77 ページ: 024705(1)-(5)
• [雑誌論文] The semiconductor to metal transition in FeSi1-xGex probed by high resolutionx-ray absorption spectroscopy (2008)
  • 著者名/発表者名: N. Tsujii, H. Yamaoka, H. Oohashi, I. Jarrige, D. Nomoto, K. Takahiro, K. Ozaki, K. Kawatsura
  • 雑誌名: Physica B vol.40 ページ: 922-924
• [雑誌論文] Bulk sensitive spectroscopy for the valence transition in YbInCu4-based compounds (2008)
  • 著者名/発表者名: H. Yamaoka, N. Tsujii, K. Yamamoto, A. M. Vlaicu, H. Oohashi, H. Yoshikawa, T. Tochio, Y. Ito, A. Chainani, S. Shin
  • 雑誌名: Physical Review B 78 ページ: 045127
• [雑誌論文] Intermediate-valence behavior of YbCu5-xAlx around quantum critical point measured by resonant inelasticx-ray scattering at Yb L3 absorption edge (2007)
  • 著者名/発表者名: K. Yamamoto, H. Yamaoka, N. Tsujii, A. M. Vlaicu, H. Oohashi, S. Sakakura, T. Tochio, Y. Ito, A. Chainani, S. Shin
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan vol.76 ページ: 124705(1)-(7)
• [学会発表] 超伝導体YbGaxSi2-xの組成依存性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 辻井直人 他
  • 学会等名: 粉体粉末冶金協会
  • 発表場所: 早稲田大学
  • 年月日: 2008-05-28
• [学会発表] 超伝導体YbGaxSi2-xの作成と物性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 辻井直人 他
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2008-03-23
• [学会発表] FeGa3におけるエネルギーギャップの観測 (2008)
  • 著者名/発表者名: 辻井直人 他
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2008-03-23
• [学会発表] Superconductivity in YbGaxSi2-x with the AlB2-type structure (2008)
  • 著者名/発表者名: 辻井直人 他
  • 学会等名: アメリカ物理学会
  • 発表場所: ニューオーリンズコンベンションセンター
  • 年月日: 2008-03-12