グラファイト(グラフェン)における量子干渉効果のうち、[1]状態密度および電気伝導度における欠陥による量子効果(非自明な指数をともなう低次元量子臨界現象の発現)[2]欠陥のまわりの局所状態密度(あたらしい共鳴状態の発見およびSTM実験への予言)に関して知見を得た。さらには、ノード的準粒子の発現は、グラファイト(グラフェン)のみならず2次元d波超伝導をはじめとした近年注目を集めている新奇な超伝、さらには有機導体をはじめとしたいくつかの強く相互作用する電子でもその可能性が提案されている。それらを念頭に分野横断型の分析を発展させた。より具体的にはVortex Motion in quasi-2D d-wave Suberconductorsと題し、phys. stat. sol. (b)に成果を発表した。さらにはグラフェン量子ホール効果の大域的相図(欠陥による量子ホール効果の「崩壊」の仕方の解明)についても考察を開始し知見を得た。また関連してノード的超伝導を位相幾何学的数で分類し、それを基礎にした超伝導渦のコア状態の性質の分析およびその実験的検出に関して知見を得た。具体的にはまず最初のステップとして、3重項ノード的超伝導におけるハーフヴォルテックスについて系統的な研究をし結果を整理し、さらにはそれを含む成果をJournal of Superconductivity and Novel Magnetismなどにレヴューとしてまとめた。
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