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2010 年度 実績報告書

非常に遅い変形過程における粉体のレオロジー

研究課題

研究課題/領域番号 19740240
研究機関奈良女子大学

研究代表者

狐崎 創  奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (00301284)

キーワード乾燥破壊 / 亀裂速度 / 炭酸カルシウムペースト / 塑性変形 / レオロジー
研究概要

本研究では液体を含む粉体ペーストの変形・破壊過程とレオロジー物性の関係を明らかにすることを目的として実験と理論研究を行ってきた。昨年度までに乾燥収縮によるペーストの一様な薄層の亀裂形成の実験を行って亀裂成長速度と応力を測定し、破壊前に層内に発生する引張応力が乾燥速度依存性を持たないのに対して亀裂速度は乾燥速度とともに増加することを実験的に見出した。またそのような依存性が亀裂成長と塑性緩和の競合によって説明できることを理論解析により示した。
本年度は提案した数理モデルを降伏応力が無視できない場合に拡張して数値計算を行い、降伏応力がOの場合の解析解と一様解をもとに亀裂速度を与える式が推定できることを示した。これらの成果は昨年までの結果と併せて国際会議・海外の大学でのセミナー等での発表と論文による報告を行った。また指導する大学院生とともにインベージョンパーコレーションをベースとする数理モデルを作り、線形弾性体と乾燥過程の相互作用を調べた後、粉体を想定した3次の非線形弾性への拡張を行った。数値解析の結果、柔らかいペーストでは破壊と乾燥が互いに促進し合うことがわかった。
実験は他の研究者の装置を借りて行う予定であったレオロジー測定が装置の納品の遅れのため本年度は実現できなかったが、実験装置の改良を行った上で数種の粉体に対して亀裂速度の測定を行い結果を得ることができた。研究期間は本年度までであるが、これらの成果に関しては今後得られる測定結果をもとに議論した上で報告していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Crack Growth in Drying Paste2011

    • 著者名/発表者名
      狐崎創
    • 雑誌名

      Advanced Powder Technology

      巻: 22(未定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ペーストの乾燥破壊とレオロジー2011

    • 著者名/発表者名
      狐崎創
    • 雑誌名

      表面

      巻: 48 ページ: 343-354

  • [雑誌論文] Crack Growth and Plastic Relaxation in a Drying Paste Layer2010

    • 著者名/発表者名
      狐崎創
    • 雑誌名

      Journal of Physical Society of Japan

      巻: 79 ページ: 124802

    • 査読あり
  • [学会発表] 弾性変形を伴うペーストの乾燥過程について2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤華子・狐崎創
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      新潟大学(※地震のため未開催・発表扱)
    • 年月日
      2011-03-28
  • [学会発表] Drying-Rate Dependence of Crack Speed in a Thin Layer of Paste2010

    • 著者名/発表者名
      狐崎創
    • 学会等名
      The 18th European Conference on Fracture
    • 発表場所
      Dresden, Germany
    • 年月日
      2010-08-30
  • [備考]

    • URL

      http://www.complex.phys.nara-wu.ac.jp/~kitsune/paper/paper.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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